袱紗(ふくさ)というと、ピンとこないかもしれません。しかし結婚式会場において、ご祝儀袋を出すときに、そのご祝儀袋を包んでいたものは見たことがあると思います。その包んでいたものの正体が袱紗なのです。袱紗は、ご祝儀袋を包むときに使用します。見た目は、縮緬や絹で美しく見栄えの良い、四角形の布です。一重か二重に縫われています。また、ご祝儀以外にも葬儀の際の香典を包む時にも使います。慶事と弔事の両方で使えるので、持っていると突然の時にも重宝することでしょう。色合いは、慶事と弔事では変える必要がありますが、紫に限りその両方で使用することができることになっています。もし、慶事と弔事の2種類を持つのが面倒な場合は、紫のものを持っていると良いでしょう。最近の若い世代だと、むき出しのままご祝儀袋や香典を持ってくるという人が散見されます。しかし、常識的なマナーとして袱紗を正しく持つことは大切なことです。年長者からの信頼を勝ち得るためにも是非、用意しておきたいですね。
お通夜や葬式に出席して受付で香典を渡す時、各々バッグの中や喪服のふところから、むき出しのままのそれを直接取り出すという人が近年増えつつあります。しかし、これは本来的には遺族の方に対して大変失礼なマナー違反であるということを理解しておきましょう。お悔み事の際に使用される不祝儀袋は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる小さな包み布にきちんと包んだ上で、葬儀場に持ち込まなければなりません。受付でその不祝儀袋(香典)を手渡しする際は、まず袱紗に包まれたままの状態で右手の上に乗せ、左手を用いて包みの折りたたみを開きます。そして、改めて受付担当の方から見て香典が正面向きになるように方向を整えてそれを手渡します。ちなみに袱紗はその色によって、慶事に使用できるものと弔事に使用するものがはっきり分かれていますから、そうした面にきちんと気を配ることも大切です。お悔み事や弔事には、紺、グレー、深緑色、うぐいす色、紫色といったものが使用可能となっています。