地味なリクルートスーツであれば、喪服として活用できるのでないかと思う人が多いようです。

スーツの中でもリクルート用のものは、地味に仕立てられていますから、一見して喪服として使用しても問題がないように思えます。

しかし厳密に見れば、喪服の深い漆黒とツヤ感は、リクルートスーツには皆無といっていいかもしれません。

可能であれば、若くとも喪服のひと揃えは持っていたいものです。

学生のうちは、葬儀の際には制服が正式な服装となります。

このように、大学生や就職活動中であれば、リクルートスーツでも咎められるということはないようです。

ですが、社会人になり数年が経過しているというような段階で、喪服を持たずにリクルートスーツを代用しているのは問題です。

冠婚葬祭用のスーツは年を重ていく過程で、必要不可欠になります。

社会に出たなら、リクルートスーツでの葬儀参列は控えてください。

いつまでも学生気分で、リクルートスーツを代用していると、顰蹙を買うことでしょう。

こうした非礼を続けていると、あなたの評判は、いつしか失墜してしまいます。

あくまでも、学生という身分においては代用もやむ無しという事なのです。

喪服は礼服です。

弔事やお悔み事に際して、そうした趣旨にきちんと適合したマナー通りの服装である、ということをまずは承知しておいてください。

では、そうした前提を踏まえた上で、リクルートスーツで葬儀等に参列するのは、果たして許されることなのか否かということを考えてみましょう。

残念ながらリクルートスーツは礼服ではなく平服に分類されます。

ですから、喪服とは異なり、これで弔事等に出席することは厳密に言えばマナー違反となってしまうわけです。

しかし、実際問題として弔事用の礼服を持っていない場合は、リクルートスーツをその代用として着て出席しても、恐らく他の出席者から叱責されるようなことはないでしょう。

むしろ、普段着のままで出席するよりは格段に礼儀正しい行為として認識されるはずです。

例えるなら、学生が学生服を着用して参列していることに対するような受け止め方で、就職活動中や就職して間もない方ならば代用も致し方ないと理解を示してくれることでしょう。

ただし、やはり何度もそうした代用が許されるというものでもありません。

出来る限り早く、きちんとした喪服を準備しておくようにしましょう。